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東福寺塔頭・勝林寺は東福寺駅から南東、退耕庵の前を通って右左折して、少し歩いた左手の住宅街の奥まった路地の突き当たりの階段を上ってやっと辿り着けます。中は全て写真撮影が禁止されていますので、ご紹介できる写真は少ししかありません。
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京都観光協会が催す非公開文化財特別公開で、2009年に本尊の「毘沙門天立像」が83年ぶりに御開帳されました。平安時代の作とされる宝塔、三叉戟を持った等身大の毘沙門天立像は、板壁に虎の絵が描かれた毘沙門堂の奥に安置されていますが、薄暗い部屋の中の展示なので、説明スタッフが懐中電灯で照らしてくれてもお顔ははっきりとは見えませんでした。
江戸時代に作られた吉祥天と善膩師童子が脇侍として左右に安置されていますが、これは毘沙門天の奥さんと子供で、他に4人の子供がいるそうです。入り口から厨子前に向かう床板に座して説明を聞くのですが、天に通じる
という意味で床が奥に向かって斜め上に傾斜しているのも、解説されて初めてわかる発見でした。
百足が毘沙門天の使いとされることからお寺の紋や提灯、花瓶などいろいろなところにムカデの意匠が使われています。
田村月樵が17歳で作ったという、驚くほど精密な「毘沙門天曼荼羅」の版木や丸山応挙の加筆になる「七難七福図」の一部の寺宝も特別公開されていました。毘沙門天が中心の曼荼羅はこの寺にしかないそうですが、そう言われればそうですね。
もともと公家の持ち物を寺として創建したとのことで、寺宝が展示してある部屋は桟に至るまで全て柾目造りの贅沢なものです。 |
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訪れた時期が少し遅く、境内の梅はほとんど散っていました。あと半月ほど早く来ていれば上品な梅の香に包まれたかもしれません。 |
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