プラド美術館

プラド美術館の魅力

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プラド美術館に魅せられて

歴代のスペイン王家のコレクションを展示する
国立美術館であるプラド美術館は、
ルーブル美術館と双璧の世界でも
有数の所蔵物を誇り、ゴヤ・エルグレコ・
ベラスケスの作品展示が充実しています。

私が初めてヨーロッパに行ったときは団体の
ツアーでマドリッドの滞在は2日間だった
のですが、最初に訪れたプラド美術館
気に入って、オプショナツツアーをすべて
キャンセル、他のどこへも行かないで2日間
ホテルと美術館の往復だけになってしまいました。

限られた貴重な時間を美術館だけで費やす
こと、これも旅行の贅沢な楽しみ方の
ひとつではないでしょうか。



快楽の園

我が子を食らうサトゥルヌス
ゴヤ

プラド美術館に展示されている無数の所蔵物の中でも
ゴヤの「裸のマヤ」は非常に有名ですが、私は
あまりこの作品に魅力を感じることはできません。

それとはあまりに対照的な、ギリシャ神話を題材に
取った「我が子を食らうサトゥルヌス」の強烈な構図と
筆のタッチにとても惹きつけられました。

理屈抜きにただ色彩と、ゴヤという人間の情念が
溢れ出てくるような迫力に圧倒されて
その前にただ立ち尽くすばかりでした。

突然素晴しい景色を目の当たりにしたり息を飲むような
美しさに出会ったとき、言葉が出るでしょうか。

ただひらすら感嘆することしかできないと思います。
感動に言葉は要りません。


ムリーリョ

独特の柔らかい筆触と美しい色彩が特徴の宗教画が多く、
「無原罪の御宿り」が代表的ですが、庶民階級の
少年少女を暖かく描くことも多かった彼の
「善き羊飼い幼児キリスト」に優しさを覚えました。

特に先のゴヤで極度の興奮状態に陥ったあとで
叙情性豊かなムリーリョの作品の前に立つと、
緊張から開放された後の安堵感に似た
心地よい安らぎが拡がっていきました。

筆のタッチが非常に柔らかく繊細で、
迷える一匹の子羊を受け入れる神の姿を具現化した
この作品は、重々しい教義を説かれるよりも
素直に我々の心に入り込んできます。


ボス(ボッシュ)

プラド美術館での最大の収穫はボスです。
それまで全くその存在さえ知らず、美術館を歩き回る
うちにそれに出会い、絵の印象だけが強烈に
心に焼きついたものの、作者名の「Hieronymus Bosch」
という表記をみても名前は覚えきれずに、複製画を
購入して帰国後、美術書で調べてやっと名前を
知ったような次第でした。

その絵とは、約縦2.2メートル横4メートルの『快楽の園』。
左右に扉がつき、それぞれ違う絵が描かれて礼拝堂の
祭壇を飾る三連祭壇画であるこの作品は非常に特異な
もので、いまだ解釈がつきにくいところが多いようです。

向かって左のパネルに「天国」、右のパネルに「地獄」、
中央の一番大きなパネルには「現世=快楽の園」が
描かれていて、現世には無数の一糸纏わぬ若い男女が
いろいろな鳥、魚、その他の動植物と入り乱れて
奇妙な背景の中に賑やかに描かれいます。

人間の潜在意識下における性的欲望の夢想を
具象化したのが「快楽の園」であり、様々な楽器が
登場することから「音楽地獄」とも呼ばれている
「地獄」では、淫欲に堕落した結果の混沌とした
恐怖を奇怪な生物によって表しています。

祭壇画ということから考えると、理想の楽園「エデンの園」で
神様に引き合わされたアダムとイブが快楽を知り、
あらゆる快楽を貪り尽くした挙句、地獄に落ちてしまうことを
絵で表し、淫欲の戒めをしていると解釈するのが
適切ではないかと思われます。


美術館を後にした心地よい余韻と照りつける夕日の中で、
屋台(ワゴンっていうのかな)で売っていた
アイスクリームの絶妙な甘さが印象的でした。

善き羊飼い幼児キリスト

「快楽の園」の真ん中


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