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醍醐寺の駐車場は広いのですが、特に桜のシーズン中は観光バスが多く一般車はほとんどは入れません。また寺前の道路は細くて渋滞しますので、車で出かけようとお考えの方は少し離れた場所に駐車するか、京都市内に預けておいて地下鉄・バスなどを利用されることをおすすめします。
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三宝院前の枝垂桜 |
西大門(仁王門) |
真言宗醍醐派の総本山である醍醐寺は世界文化遺産に登録されている、広い境内を有した国宝・重要文化財の多い寺です。総門をくぐるとすぐ左手に三宝院、右手に霊宝館があり、参道をまっすぐ進むと左右に平安後期に造立された仁王像を配する西大門から、金堂・五重塔・大講堂へと続きます。紅葉の名所弁天堂に続く成身院から先は山道となり、国宝、重文が並ぶ上醍醐へ約1時間の道のりとなりますが、巨大な餅を持ち上げる力比べで有名な「五大力さん」で知られる五大堂には多くの方が参拝します。 |
951年建立の五重塔(国宝) |
三宝院の内部は撮影禁止でご紹介できないのが残念ですが、国宝となっている表書院に接した縁側から臨む庭園は、鶴山・亀山を中央に配した落ち着いた造りの伸び伸びとした空間で、特別史跡に指定されています。亀山から天下の名石といわれる阿弥陀三尊を表す「藤戸石」に架かる石橋には、全面に上品な色合いの苔が彩を沿え、新緑の季節を待ちわびる木々の息吹がほんのりと伝わってきます。
ともかく広い庭で、縁側に腰掛けながら春の陽光を浴びてのんびりと思いに耽るのには最適の場所であると言えるでしょう。もっとも大勢の観光客のざわめきに惑わされること必定ですが。長谷川等伯一派、石田幽汀らによって描かれた全面の四季の柳や山野の風景の襖絵は豪華絢爛で絶頂期の秀吉の権勢が目に見えるようです。
近寄ってみることができず細かい細工までわからないのが残念ですが、奥宸殿にある「醍醐棚」と呼ばれる違い棚は奥面が壁から離れた形に造られた透かし彫りのあるもので、意匠的にも非常に趣きのあるものです。あまりしっかりと見ている人は少ないようですが、修学院離宮の「霞棚」、桂離宮の「桂棚」とともに、「天下の三大名棚」と称されるのがわかる気がします。どうして近くで見せてくれないのでしょうね。 |
多くの信者が訪れる祖師堂 |
紅葉の名所・弁天堂 |
金堂(国宝) |
国宝である金堂に安置されている薬師如来像はこの寺の本尊ですが、左右の如来像とともに非常に柔和なよい表情をしており、間近で見られますので坐ってお参りし、じっくりご覧になると清々しさを感じられるでしょう。 |